カートの本と音楽の(PUNKな)日々2

ダニエル・フリードマン「もう年はとれない」

ダニエル・フリードマンの「もう年はとれない」を読んでみた。

メンフィスの元殺人課刑事バック・シャッツは、
戦友ジムのたっての願いで、ジムの入院する病院へ見舞いに。
病室で思わぬ話を聞かされるが、当のジムはそのまま息を引き取る。
ジムは、第二次世界大戦末期に2人が放り込まれた捕虜収容所で
ユダヤ人であるバックに“親切とはいえなかった”ナチスの将校ジーグラーが生きていると云うのうだ。
戦後、ジーグラーが名前を変え、ナチの隠し財産である金塊を持って逃亡したのを見逃したと
打ち明けるジム。
係わる事を拒んだバックだったが、噂を聞きつけた連中に巻き込まれるようにジーグラー探しを始める。
87歳のハードボイルドな元刑事が、孫の手を借り、357マグナムを身につけて、
ジーグラーを追ううちに、周囲では残虐な殺人が起きる。
ダーティーハリーばりの強面刑事だったのに、今ではへなちょこパンチと減らず口が武器のシャッツ。

これはかなり面白かったですね~。お薦め。
続編も是非読みたい。

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サイモン・ベケット「出口のない農場」

サイモン・ベケットの「出口のない農場」を読んでみた。
ベケットって行ってもサミュエルではない・・・。


お話はフランスの片田舎で、どうやら訳ありのヤバい車に乗っているシーンから始まる。
何やら犯罪の匂いのする車なんですが、案の定スペアタイヤの下には違法薬物らしき袋。
主人公のイギリス人青年ショーンは、車を乗り捨てて、やむなく袋をバックパックに詰め(なぜ捨てないんだ!)
ヒッチハイクで車から遠ざかろうとする。
やがてショーンはヒッチハイクで行きついた農場で、狩猟用の罠に脚を挟まれる。
激痛と喉の渇きに意識を失い、次に目を覚ますと農場の納屋の屋根裏だった。
脚に大怪我を負っているにもかかわらず、なぜか医者を呼ばずに
農場主の娘であるマティルドが治療。
そしてやたらとショーンに対して敵対的な農場主アルノー。
マティルドの妹グレートヒェンもなんかちょっと不審だし、
マティルドの子どもの父親は誰なのかも謎だし、
なにしろいわくつきな感じの農場で、ショーンは逃げてきたはずなのに
辿り着いた農場で囚われ人になったかの様な・・・。
むしろ農場の住人たちの方が囚われ人であることが、
読み進むと解ってくるわけですが・・・。
一方、ショーンのロンドンでの日々も語られる。
なぜ、ショーンはフランスに逃亡してきたのか。
あの車で、何があったのか。

なかなか面白かったんですが、ラストが結構バタバタとしてまして、
あわてて風呂敷を畳むような感じがして、ちょっと勿体ないかなと思ったのでした。

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ピエール・ルメートル「その女アレックス」

ピエール・ルメートルの「その女アレックス」を読んでみた。

ルメートルはフランスの作家。
作家デビューは55歳(2006年)の時で、かなり遅いデビューと云えよう。

主人公アレックスは夕食を終えたレストランからの帰り道、
突然白いバンの男に拉致された。
バンで運ばれたのは人気のない廃墟のような倉庫。
全裸にされ、体を動かすのにも難儀をするほどの狭苦しい、格子状に板を組んだ箱に閉じ込められ
天井からロープで吊るされるアレックス。
男の目的は何なのか?男は何者なのか?
絶望するアレックスに男が告げる
「おまえがくたばるのを見たいからだ」
一方、パリ警視庁のカミーユ・ヴェルーヴェン警部は厭々ながら
この誘拐事件を担当させられる。
ヴェルーヴェン警部は、やはり誘拐事件で最愛の妻を失っており
第一線からは退いた形だったが、彼の能力を惜しむ上司に無理やり事件を押しつけられたのだ。
かつての部下たちを集めて捜査チームを組み、事件に取り組むものの
あまりにも少ない手掛かりのため、誘拐犯どころか被害者の身元すら分からない始末。
ところが捜査が進むと、むしろ本当の謎は被害者にあることが明らかに・・・。

う~ん、読後感、ビミョーです。
イヤミスですね。
最後に謎が解けるとイヤな気分が増すと云うですね、典型的なイヤミス。
ちょっとですね、ミステリーとしてはズルイと云うか、納得のいかない方も多いんでは無いでしょうか。
個人的には面白く最後まで読めました。が、やっぱりちょっと作者ズルイなと。
意図的に作者が読者に嘘を仕掛けているのは、やはりミステリーとしてはどうなのかなと思う訳ですが、
最後まで面白く読めたのも事実。ちょっと評価に悩む感じです。
どこがズルイのかは是非読んで欲しいと思う次第なんですけどね。
ヴェルーヴェン警部シリーズの2作目らしいので、1作目も読んでみよう。
なかなか警部は魅力的でしたので。
もう一作「死のドレスを花婿に」が翻訳されているようなんですが、
こちらはヴェルーヴェン警部シリーズでは無いようですが、一応読んでみようかと思う次第。

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ポール・クリーヴ「清掃魔」

ポール・クリーヴの「清掃魔」を読んでみた。
ポール・クリーヴはニュージーランドの作家だが、ニュージーランドの作家とか初めてだな。

主人公のジョーは警察署内に勤める清掃員。
ジョーは昼間は知的障碍者を装い、警察署内の清掃をする傍ら、捜査情報を盗んでいる。
夜になると、ニュージーランド第2の都市クライストチャーチで女性を暴行殺害する連続殺人犯
通称クライストチャーチ・カーヴァー((肉切り人)としての正体を現す。
ビールでも飲むように自然に人を殺すジョー。
ジョーが恐れる唯一のものは、母親。
狡猾なジョーは、このままであれば、いつまでも殺人を繰り返していただろう。
ところがジョーには身に覚えのない殺人までもが、クライストチャーチ・カーヴァーの犯行とされたことに
腹を立て、犯人を捜し出そうとするのだが。

最初の数ページで読むのをやめようかと思った。
ジョーの一人称で語られる文章は、非常に口語的で悪辣。
以前読んだ「アメリカン・サイjコ」がですね、非常につまらなくて途中で読むのをやめたんでしたが
アレと同じようなもんかなぁと。
我慢しつつも読み進むと、これがなかなか面白い。
ジョーと同じくクライストチャーチ署で働く用務員サリー。
ジョーの“ママ”のイーヴリン。
そしてジョーのある意味運命の女性メリッサ。
この3人の女性がねぇ・・・。

深みは無いけれども、パルプ的に面白かった。

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フェルディナント・フォン・シーラッハ「罪悪」

フェルディナント・フォン・シーラッハの「罪悪」を読んでみた。
数年前にヒットしたので、ミステリー好きならばほとんどの人が読んだことがあるのではないか。
それを今頃読むと(笑)
シーラッハはドイツでは有名な刑事事件弁護士だそうで、自分の扱った事件を元にして(もちろん人名や地名は変えて)
小説を執筆。2009年に「犯罪」でデビュー。
本書「罪悪」は2冊目の作品である。
15編の作品と云うか事件が収められた本作であるが、
なんと云うか、読み終わった後、気分がモヤモヤとする。
「面白い」と云うよりは「興しろい」系なんですが、そっけない文体で淡々と事件のあらましを語り、
ストンと終わる。文学性を排除した感じが、なんか物珍しく感じる。
え~っと、読んでいて柳田國男の「遠野物語」とか、マンガだけど杉浦日向子の「百物語」なんかを思い出した。
内容は似ても似つかないんだけど、ナンカその、突き放した雰囲気がね。
最終話の「秘密」のオチ(オチと云って好いのか判然としないけれども)が個人的にはブラックで気に入った。
「犯罪」も続けて読んでみようっと。

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