カートの本と音楽の(PUNKな)日々2

ケイト・モートン「湖畔荘」

ケイト・モートンの「湖畔荘」を読んでみた。
ソフトカバーの上下巻。
イギリスの片田舎コーンウォールが主な舞台。
1933年にコーンウォールの大邸宅、湖畔荘で起きた幼児の行方不明事件。
現代パートは2003年で、母親が幼児を置き去りにするネグレクト事件が起こる。
ネグレクト事件を担当し、解決しようと深入りし過ぎたが故に問題を起こし、
休暇という名の謹慎中の女性刑事セイディ。
セイディはたまたまランニング中に、打ち捨てられた湖畔荘に迷い込む。
70年前、何不自由のない幸せな一家を襲った、行方不明事件の舞台となった湖畔荘に興味を持ち、
謹慎中の無聊を慰めるために事件を調べ始めたセイディは、事件の関係者に接触を図ろうとする。
一方、事件ののちロンドンに越した湖畔荘の住人エダウェイン家の二女アリスは、
高齢とはいえ売れっ子のミステリー作家と活躍していた。
彼女には事件に関して、人には云えない秘密があったのだが・・・。

事件の起きた1933年のパート、現在の2003年パート、
そしてアリスの両親が出会った1922年と、
時間と場所が章ごとに飛び交うが、上手に描かれるので読みにくさはない。
でも正直なところ、上巻の3分の1くらいまではかなり退屈。
アリスのアシスタントのピーターが登場してから面白くなる。
下巻に入ってからはかなり調子が出てくる。
ただ、最後の解決編は微妙かな。どんでん返しは良かったけど。

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ジャック・リッチー「ダイアルAを回せ」「クライム・マシン」「ジャック・リッチーのあの手この手」

ジャック・リッチーの「ダイアルAを回せ」「クライム・マシン」「ジャック・リッチーのあの手この手」を読んでみた。
3冊とも短編集。

ジャック・リッチーは1922年生まれ、1983年没のアメリカのユーモアミステリーの作家で
エドガー賞短編賞受賞作品を受賞するなど、短編小説の名手。
なんてウィキを参考に書いてみたけど、あれ?誰の書評で知ったんだったかな?
とにかく、最近知ったばかりで初めて読んでみた。
読んでよかったと云うか、なんで今まで知らなかったんだ!ってぐらい粒ぞろいの短編集でした。
特にお薦めが私立探偵カーデュラ(Cardula)のシリーズ。
夜しか営業していないカーデュラは、死体を見て血液型を気にしたり、
移動するのに「飛んで」行ったりとするんですが、名前がある有名な人物のアナグラムになってます。
どの作品も、短い中にユーモアとひねりがあって切れ味がある。
お薦めです。

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マイケル・ロボサム「生か、死か」

マイケル・ロボサムの「生か、死か」を読んでみた。

冒頭、主人公のオーディが脱獄したところから物語がスタート。
10年の刑期満了まで、あと1日ってとこでの脱獄。
なんで???
オーディは現金輸送車襲撃で逮捕。
事件は4人の死亡者を出したが、オーディ以外の犯人は逃亡。
奪われた700万ドルは未だに見つかっていない。
金の在処を知っていると目されたオーディは、囚人たちからはもちろん、
看守たちからも金の行方を吐けと脅されるが、飄々と受け流すと云うか耐え抜く。
そこまでして10年間を刑務所で過ごし、あと1日で自由になれるはずだったのに・・・。

この作品、エドガー賞最優秀長編賞最終候補に残り、英国推理作家協会ゴールド・ダガー賞を受賞。
非常に評価が高いんですけど、正直僕はツマンナカッタです。
何であと1日が待てずに脱獄したのか?って、すごいフックなんですけど、なんか肩すかし。
主人公にも魅力を感じない。
主人公の親友(親友なのか?)である囚人のモスが、そこそこ魅力的なのが唯一の救いで
いつ面白くなるんだろう・・・と思いつつ読んだんですけどねぇ。
ま、好みでは無かったと。そう云う事です。

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ダニエル・フリードマン「もう年はとれない」

ダニエル・フリードマンの「もう年はとれない」を読んでみた。

メンフィスの元殺人課刑事バック・シャッツは、
戦友ジムのたっての願いで、ジムの入院する病院へ見舞いに。
病室で思わぬ話を聞かされるが、当のジムはそのまま息を引き取る。
ジムは、第二次世界大戦末期に2人が放り込まれた捕虜収容所で
ユダヤ人であるバックに“親切とはいえなかった”ナチスの将校ジーグラーが生きていると云うのうだ。
戦後、ジーグラーが名前を変え、ナチの隠し財産である金塊を持って逃亡したのを見逃したと
打ち明けるジム。
係わる事を拒んだバックだったが、噂を聞きつけた連中に巻き込まれるようにジーグラー探しを始める。
87歳のハードボイルドな元刑事が、孫の手を借り、357マグナムを身につけて、
ジーグラーを追ううちに、周囲では残虐な殺人が起きる。
ダーティーハリーばりの強面刑事だったのに、今ではへなちょこパンチと減らず口が武器のシャッツ。

これはかなり面白かったですね~。お薦め。
続編も是非読みたい。

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サイモン・ベケット「出口のない農場」

サイモン・ベケットの「出口のない農場」を読んでみた。
ベケットって行ってもサミュエルではない・・・。


お話はフランスの片田舎で、どうやら訳ありのヤバい車に乗っているシーンから始まる。
何やら犯罪の匂いのする車なんですが、案の定スペアタイヤの下には違法薬物らしき袋。
主人公のイギリス人青年ショーンは、車を乗り捨てて、やむなく袋をバックパックに詰め(なぜ捨てないんだ!)
ヒッチハイクで車から遠ざかろうとする。
やがてショーンはヒッチハイクで行きついた農場で、狩猟用の罠に脚を挟まれる。
激痛と喉の渇きに意識を失い、次に目を覚ますと農場の納屋の屋根裏だった。
脚に大怪我を負っているにもかかわらず、なぜか医者を呼ばずに
農場主の娘であるマティルドが治療。
そしてやたらとショーンに対して敵対的な農場主アルノー。
マティルドの妹グレートヒェンもなんかちょっと不審だし、
マティルドの子どもの父親は誰なのかも謎だし、
なにしろいわくつきな感じの農場で、ショーンは逃げてきたはずなのに
辿り着いた農場で囚われ人になったかの様な・・・。
むしろ農場の住人たちの方が囚われ人であることが、
読み進むと解ってくるわけですが・・・。
一方、ショーンのロンドンでの日々も語られる。
なぜ、ショーンはフランスに逃亡してきたのか。
あの車で、何があったのか。

なかなか面白かったんですが、ラストが結構バタバタとしてまして、
あわてて風呂敷を畳むような感じがして、ちょっと勿体ないかなと思ったのでした。

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