カートの本と音楽の(PUNKな)日々2

ジャック・リッチー「ダイアルAを回せ」「クライム・マシン」「ジャック・リッチーのあの手この手」

ジャック・リッチーの「ダイアルAを回せ」「クライム・マシン」「ジャック・リッチーのあの手この手」を読んでみた。
3冊とも短編集。

ジャック・リッチーは1922年生まれ、1983年没のアメリカのユーモアミステリーの作家で
エドガー賞短編賞受賞作品を受賞するなど、短編小説の名手。
なんてウィキを参考に書いてみたけど、あれ?誰の書評で知ったんだったかな?
とにかく、最近知ったばかりで初めて読んでみた。
読んでよかったと云うか、なんで今まで知らなかったんだ!ってぐらい粒ぞろいの短編集でした。
特にお薦めが私立探偵カーデュラ(Cardula)のシリーズ。
夜しか営業していないカーデュラは、死体を見て血液型を気にしたり、
移動するのに「飛んで」行ったりとするんですが、名前がある有名な人物のアナグラムになってます。
どの作品も、短い中にユーモアとひねりがあって切れ味がある。
お薦めです。

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マイケル・ロボサム「生か、死か」

マイケル・ロボサムの「生か、死か」を読んでみた。

冒頭、主人公のオーディが脱獄したところから物語がスタート。
10年の刑期満了まで、あと1日ってとこでの脱獄。
なんで???
オーディは現金輸送車襲撃で逮捕。
事件は4人の死亡者を出したが、オーディ以外の犯人は逃亡。
奪われた700万ドルは未だに見つかっていない。
金の在処を知っていると目されたオーディは、囚人たちからはもちろん、
看守たちからも金の行方を吐けと脅されるが、飄々と受け流すと云うか耐え抜く。
そこまでして10年間を刑務所で過ごし、あと1日で自由になれるはずだったのに・・・。

この作品、エドガー賞最優秀長編賞最終候補に残り、英国推理作家協会ゴールド・ダガー賞を受賞。
非常に評価が高いんですけど、正直僕はツマンナカッタです。
何であと1日が待てずに脱獄したのか?って、すごいフックなんですけど、なんか肩すかし。
主人公にも魅力を感じない。
主人公の親友(親友なのか?)である囚人のモスが、そこそこ魅力的なのが唯一の救いで
いつ面白くなるんだろう・・・と思いつつ読んだんですけどねぇ。
ま、好みでは無かったと。そう云う事です。

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ダニエル・フリードマン「もう年はとれない」

ダニエル・フリードマンの「もう年はとれない」を読んでみた。

メンフィスの元殺人課刑事バック・シャッツは、
戦友ジムのたっての願いで、ジムの入院する病院へ見舞いに。
病室で思わぬ話を聞かされるが、当のジムはそのまま息を引き取る。
ジムは、第二次世界大戦末期に2人が放り込まれた捕虜収容所で
ユダヤ人であるバックに“親切とはいえなかった”ナチスの将校ジーグラーが生きていると云うのうだ。
戦後、ジーグラーが名前を変え、ナチの隠し財産である金塊を持って逃亡したのを見逃したと
打ち明けるジム。
係わる事を拒んだバックだったが、噂を聞きつけた連中に巻き込まれるようにジーグラー探しを始める。
87歳のハードボイルドな元刑事が、孫の手を借り、357マグナムを身につけて、
ジーグラーを追ううちに、周囲では残虐な殺人が起きる。
ダーティーハリーばりの強面刑事だったのに、今ではへなちょこパンチと減らず口が武器のシャッツ。

これはかなり面白かったですね~。お薦め。
続編も是非読みたい。

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サイモン・ベケット「出口のない農場」

サイモン・ベケットの「出口のない農場」を読んでみた。
ベケットって行ってもサミュエルではない・・・。


お話はフランスの片田舎で、どうやら訳ありのヤバい車に乗っているシーンから始まる。
何やら犯罪の匂いのする車なんですが、案の定スペアタイヤの下には違法薬物らしき袋。
主人公のイギリス人青年ショーンは、車を乗り捨てて、やむなく袋をバックパックに詰め(なぜ捨てないんだ!)
ヒッチハイクで車から遠ざかろうとする。
やがてショーンはヒッチハイクで行きついた農場で、狩猟用の罠に脚を挟まれる。
激痛と喉の渇きに意識を失い、次に目を覚ますと農場の納屋の屋根裏だった。
脚に大怪我を負っているにもかかわらず、なぜか医者を呼ばずに
農場主の娘であるマティルドが治療。
そしてやたらとショーンに対して敵対的な農場主アルノー。
マティルドの妹グレートヒェンもなんかちょっと不審だし、
マティルドの子どもの父親は誰なのかも謎だし、
なにしろいわくつきな感じの農場で、ショーンは逃げてきたはずなのに
辿り着いた農場で囚われ人になったかの様な・・・。
むしろ農場の住人たちの方が囚われ人であることが、
読み進むと解ってくるわけですが・・・。
一方、ショーンのロンドンでの日々も語られる。
なぜ、ショーンはフランスに逃亡してきたのか。
あの車で、何があったのか。

なかなか面白かったんですが、ラストが結構バタバタとしてまして、
あわてて風呂敷を畳むような感じがして、ちょっと勿体ないかなと思ったのでした。

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ピエール・ルメートル「その女アレックス」

ピエール・ルメートルの「その女アレックス」を読んでみた。

ルメートルはフランスの作家。
作家デビューは55歳(2006年)の時で、かなり遅いデビューと云えよう。

主人公アレックスは夕食を終えたレストランからの帰り道、
突然白いバンの男に拉致された。
バンで運ばれたのは人気のない廃墟のような倉庫。
全裸にされ、体を動かすのにも難儀をするほどの狭苦しい、格子状に板を組んだ箱に閉じ込められ
天井からロープで吊るされるアレックス。
男の目的は何なのか?男は何者なのか?
絶望するアレックスに男が告げる
「おまえがくたばるのを見たいからだ」
一方、パリ警視庁のカミーユ・ヴェルーヴェン警部は厭々ながら
この誘拐事件を担当させられる。
ヴェルーヴェン警部は、やはり誘拐事件で最愛の妻を失っており
第一線からは退いた形だったが、彼の能力を惜しむ上司に無理やり事件を押しつけられたのだ。
かつての部下たちを集めて捜査チームを組み、事件に取り組むものの
あまりにも少ない手掛かりのため、誘拐犯どころか被害者の身元すら分からない始末。
ところが捜査が進むと、むしろ本当の謎は被害者にあることが明らかに・・・。

う~ん、読後感、ビミョーです。
イヤミスですね。
最後に謎が解けるとイヤな気分が増すと云うですね、典型的なイヤミス。
ちょっとですね、ミステリーとしてはズルイと云うか、納得のいかない方も多いんでは無いでしょうか。
個人的には面白く最後まで読めました。が、やっぱりちょっと作者ズルイなと。
意図的に作者が読者に嘘を仕掛けているのは、やはりミステリーとしてはどうなのかなと思う訳ですが、
最後まで面白く読めたのも事実。ちょっと評価に悩む感じです。
どこがズルイのかは是非読んで欲しいと思う次第なんですけどね。
ヴェルーヴェン警部シリーズの2作目らしいので、1作目も読んでみよう。
なかなか警部は魅力的でしたので。
もう一作「死のドレスを花婿に」が翻訳されているようなんですが、
こちらはヴェルーヴェン警部シリーズでは無いようですが、一応読んでみようかと思う次第。

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