カートの本と音楽の(PUNKな)日々2

カート・ヴォネガット「国のない男」

カート・ヴォネガットの「国のない男」を読んでみた。

本作は、彼の遺作となったエッセイ集なんですが、
彼の小説がそうであったように、ちょっと変わったユーモアと皮肉、
人間に対する諦めと期待が入り混じったエッセイ。

いくつか引用してみよう。

“生きていてよかった、と思わせてくれるものが音楽のほかにもあります。
それは、今までに出会った聖人たちです。聖人はどこにでもいます。
私が聖人と呼んでいるのは、どんなに堕落した社会においても立派に振る舞う人々のことです”

“もしわたしが死んだら、墓碑銘はこう刻んでほしい。
  彼にとって、神が存在することの証明は音楽ひとつで十分であった”
ちなみにヴォネガットは確信的無神論者で有名。
(いずれも「国のない男」カート・ヴォネガット著、金原瑞人訳、NHK出版より引用)

何かテーマを決めたエッセイではなくて、ホントにとりとめもなくラフに書かれた感じが
ヴォネガットらしい気がした。


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ポール・シュレリー「妊娠したクマとザリガニの目」

動物もののエッセイです。

変なタイトルですよね。
作者の名前も知らなかったんですけど
白水社の「アメリカ ナチュラリスト傑作選」のなかにこのタイトルを見付けて
こりゃ面白そうだと読んでみました。

大変面白いです。そして興味深い。
文章も平易で読みやすいし、専門的になり過ぎない点も良い。
なにしろ作者の目線が「自宅の裏庭」の延長にある点が、大変良いと思う。
実物を観た事も無いハイイログマやエルクが
行った事も無いイエローストーン公園が
大変身近に感じられる。
作者が身近に感じた物を、そのまま読者も身近に感じられる。

1800年代初期にあるナチュラリストが
「腹に子を持つ雌グマを殺した者はいまだかつていない」
と書いているそうです。
なんでだと思います?
この本を読むと答えが解ります。読みたくなりませんか?

動物もののエッセイだとコンラート・ローレンツなんかが好きなんですけど
ポール・シュレリーもその中に加えたい。
でも、アマゾンで検索しても、この本しか邦訳がないみたい・・・・。

ちなみに、俺が気に入ったのは「奇妙なカップル」という章。
コヨーテとアナグマが野生の状態で、
なぜか仲良く二頭で歩いている姿が目撃される事が、よくあるんだそうです。
はたして、この二頭の間にどんな利害関係、もしくは友情があるのか?
ふふ〜ん、それも読んでのお楽しみですよ。

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「アホでマヌケなアメリカ白人」マイケル・ムーア

えーっと、ウチではこの本はトイレに置いてあります。
トイレで本を読むって良くないんでしょうけど、男性はよくやりますよね。

この本は紹介していないですよね?
「ボーリング・フォー・コロンバイン」で有名なマイケル・ムーア監督の著作。
もともと雑誌の編集をやっていただけあって、執筆の方も得意みたいです。

はっきりいってジョージ・W・ブッシュに喧嘩を売ってます。
ブッシュがらみ以外も、アメリカの負の側面を、明るく楽しく紹介している本です。
「暗く、悲しく」ではなくて、「明るく、楽しく」
アメリカの教育問題や、黒人差別問題、911テロ、労働問題などに触れて行きます。
まあ、これがアメリカの全てではないですし、一方的な見方でもあるでしょう。
でも、こういう面もアメリカにはあるんだと、しかも面白く読めるところがポイントかな。
日本での刊行は2002年なので、今読むとネタとしてはやや古いけど、
どんなものでも、良い面は一瞬にして壊されるけど、悪い面は一朝一夕には変えられないですから。

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