カートの本と音楽の(PUNKな)日々2

アラステア・ボネット「オフ・ザ・マップ 世界から隔絶された場所」

アラステア・ボネットの「オフ・ザ・マップ 世界から隔絶された場所」を読んでみた。

もう眠いんで手短に。

皆さんは「サンディ島」をご存じだろうか。
オーストラリアのクイーンズランドの沖合、東に700マイルに在る島だ。
いや、在る島・・・と云うか、無い島だと確認された島だ。
?????
本書の一番最初に紹介されているサンディ島は、1876年に島があると報告され、
以後、在る物としてさまざまな海図に記載されてきた。
がしかし!
2012年にオーストラリアの調査船が、この島が存在しないことを確認。
長さ約15マイル、幅約3マイルの島なのに・・・。

そのほか、色々な意味で、あるいは色々な理由で、
不思議な、そして奇妙な場所が世界には数多ある訳ですなぁ。
なんか、感慨深いなぁ・・・。

まあ興しろい本だったんですが、不満もある。
まず、地図が大雑把過ぎ。
場所についての本なのに、あの地図じゃあ・・・。
緯度と経度が記載されている場所もあるけどね。ググれってか。
そして、写真やイラストが無い。
もちろん存在しなかった島とか、取材が不可能な場所は
写真が無くても当然なんですけど、レニングラードの写真ぐらいあっても良くない?
イギリスの自称独立国家である元海上要塞の「シーランド」なんか
写真見てみたいんですけどねぇ・・・。
ちなみにググれば簡単に写真が見つかります。

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ジョエル・F・ハリントン「死刑執行人 残された日記と、その真相」

ジョエル・F・ハリントンの「死刑執行人 残された日記と、その真相」を読んでみた。

神聖ローマ帝国の帝国自由都市ニュルンベルグ死刑執行人であった
フランツ・シュミットの日記を元にしたノンフィクション。
フランツは、彼にとって初めて処刑を行った1573年から退職した1618年まで、
45年間にわたり400人近くを処刑し、さらに数百人に拷問・体罰を加えたが、
その間に日記をつけていた。
日記と云ってもほぼ処刑記録のようなもので、個人的な日記とはほど遠いものらしいが、
フランツ処刑人となった訳(誰もなりたがる人はいない職業ですから)、
処刑人として望んだもの(名誉の回復ですね)を含め考察したものが本書。
死刑執行人と云えば、日本でも江戸時代の山田浅右衛門が「首切り浅右衛門」と呼ばれたりして有名ですが
他にもフランスのサンソン家が有名。
実はサンソン家の4代目シャルル=アンリ・サンソンを主人公にしたマンガ「イノサン」を最近読んでいるので、
この本も読んでみた次第。
原文が悪いのであろうが、文章にまとまりがない感じでやや興ざめだが、
「イノサン」を読むための副読本としては最適かと。
如何に処刑人が忌み嫌われ、それでいて必要とされたか。
その辺を理解するにはよい資料では無いかと思う。

因みに「イノサン」自体は、安達正勝「死刑執行サンソン―国王ルイ十六世の首を刎ねた男」集英社新書を
元にしているが、こちらは新書ながら大変読みごたえがあるのでおススメ。
だいぶ以前に「死刑執行サンソン―国王ルイ十六世の首を刎ねた男」読んだんだけど、
ブログの記事にしてなかったかしらん。ブログ内検索しても出てこないな・・・。
「イノサン」についてはいずれ書くと思います。

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ヴォルフ・シュナイダー「偉大なる敗北者たち」

ヴォルフ・シュナイダーの「偉大なる敗北者たち  メアリ・スチュアートからゲバラまで」を読んでみた。
ゲバラやゴッホなど“偉大”な敗北者を集めた本。

本書で取り上げられているのは、人数が多いんですが列挙しますと、
チェ・ゲバラ、オスカー・ワイルド、フィンセント・ファン・ゴッホ、ゲオルグ・ビューヒナー(知らない)
ミハイル・ゴルバチェフ、ヴィルヘルム2世、ルイ16世、アラン・チューリング、エルヴィン・ロンメル
トロッキー、フェルディナント・ラッサール(この人も知らない)、リーゼ・マイトナー(知らない)
メアリ・スチュアート(ブラッディメアリーとは別人です)、ハインリヒ・マン(トーマスの兄。兄がいることも知らなかった)
クヌート・ハムスン(ノーベル賞作家ですが、やっぱり知らない)、ヨハン・シュトラウス、
ヤーコブ・ラインホルト・レンツ(全く知らないなぁ)、ラザール・オシュ(初めて知ったけどナポレオンのライバル。
この人は興味ある)、ゲオルグ・ハイム(誰?)、ロザリンド・フランクリン(わからん)。
結構知らない人が多い。
個人的に一番興味深かったのはルイ16世。
祖父であるルイ15世(最愛王と呼ばれた)と嫁であるマリー・アントワネットのおかげで、だいぶ影が薄いじゃないですか。
錠前造りが趣味とか、え~、云い難いんですが、子作りの方面に問題があったとかは有名だけど、
政治的にはどうだったのかは、ほぼ話題にならない。
ちょっとですね徳川慶喜っぽい感じがあるんですね。革新的な政策をとったりもするんだけど、
腰が据わらないので結局破綻して、自分の政権の崩壊を早めた辺りがね。
あとですね、作者がゴルバチョフを妙にこき下ろすんですが、何か含むところがあるのか。

僕が学生の頃「週刊ヤングジャンプ」に「栄光なき天才たち」ってマンガが連載されていたが、
本書とは取り上げている人物が一人もかぶってないなぁ。
随分と描き方も違うしね。本書はかなり冷笑的。

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ミヒャエラ・フィーザー「西洋珍職業づくし -数奇な稼業の物語ー」

ミヒャエラ・フィーザーの「西洋珍職業づくし -数奇な稼業の物語ー」を読んでみた。
NHKラジオ「スッピン」で高橋源一郎が面白いと褒めてたんで、手にとった次第。
そう云えば今日のスッピンインタビューは幸田浩子さんだった。

著者のミヒャエラ・フィーザーはドイツ人。
巻末の著者紹介の文章を長いけれど一部引用する。
“ロンドンのSOASで日本学及び東洋美術史を学ぶ。修了後、奨学金を得て東北大学で日本美術史を専攻。
6年にわたり日本に滞在、国際メディアのジャーナリスト兼プロデューサーとして働く。
そのうち、九州の寺院で過ごした1年は決して忘れることが出来ない。
eintauchen(この語は仏教では如何なることをいうのだろうか。剃髪あるいは得度か。
因みにキリスト教では、全身を水に浸して行うバプティスト派の受洗)することを許され、 後略 ”
とあるんだけれど、この略歴も著者の書いたものを翻訳したと訳者あとがきにある。
気になって仕方がないんで、二点ほど指摘させてください。
SOASってなんですか?ウィキによるとロンドン大学東洋アフリカ研究学院ですって。
SOASって書かれて何のことか解りますか?僕は解らない。
ちゃんとロンドン大学東洋アフリカ研究学院と訳せばいいのに。
さらに引用文中のカッコ内の不思議な文章は何なんでしょう。
僕は無宗教な人間で、特に仏教にもキリスト教にも詳しいつもりはないけれど、
eintauchenをググると「浸漬」とでる。水に浸すことらしい。
と云うことはいわゆる洗礼のことなんだろうな。でもって、仏教でいえば「灌頂」のことじゃないかしらん。
何故にちゃんと調べるなり、作者に問い合わせるなりしないのかしら。とても不思議。蛇足でした。
でも、なにしろ著者自身がユニークなプロフィールをお持ちなのは解る。
さて、本の内容なんですが、現代では消えてなくなってしまった、移動貸しトイレ業から
野蜂飼いまで24の職業を紹介。特に「珍」と云う訳では無くて、今では見られなくなった職業ですね。
一つ一つの紹介が短すぎて不満があるが、それなりに面白い。
ただ、原文が悪いのか訳が悪いのか、ときどき「ん?」と思うところがある。
内容が面白いだけに、ちょっと残念。

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ダグラス・アダムズ/マーク・カーワディン「これが見納め」

ダグラス・アダムズの「これが見納め 絶滅危惧の生きものたち、最後の光景」を読んでみた。

ダグラス・アダムズは私の大好きな「銀河ヒッチハイクガイド」シリーズの作者。

BBCラジオの番組のため、
世界中の絶滅が危惧されている生き物を、SF作家であり脚本家でもあるダグラス・アダムズと、
動物学者であるマーク・カーワディンが訪ねたノンフィクションである。
イギリスでは1990年に出版。
ダグラスらしいユーモアと皮肉に満ちた文章が楽しい。
そして、自分自身も含めた、人間の馬鹿さ加減に恥じ入るダグラスに共感する。
世界中を廻って、コモドオオトカゲやらキタシロサイやらカカポやらマウンテンゴリラの姿を見てダグラスは自問する。
“ゴリラの知性を判断しようとするとはなんと思いあがったことか、という気がしてきた。
人間の知性は、どんな意味でも知性を測る基準というわけではないのに。”
“あれやこれやの密猟が、マウンテンゴリラの生存を脅かす最大の問題なのは言うまでもない。
しかし、その問題を解決するのに人間狩り解禁を宣言するのは最善の方法と言えるだろうか。
わたしたち人類はいまのところ絶滅危惧種では無いが、
これは絶滅させようとする試みがなされていないと云う意味では無い”

笑わされながら、考えさせられた。多くの人に読んでほしい本である。

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