カートの本と音楽の(PUNKな)日々2

宮部みゆき「過ぎ去りし王国の城」

宮部みゆきの「過ぎ去りし王国の城」を読んでみた。

受験シーズンの2月20日、主人公尾垣真は両親に頼まれ銀行へ。
真は中学三年生だが、すでに受験生では無い。
推薦入学を決めて早々にポスト受験生になったからだ。
真は込み合った銀行で、暇つぶしに子供たちの描いた絵を眺めていた。
その中に1枚だけ場違いな絵があった。
大人の玄人の描いたとしか思えない見事な城のスケッチ。
偶然パネルから剥がれ落ちたその絵を、真はつい持ち帰ってしまう。
その夜、絵が気になって仕方がない真が、絵の表面に顔を近づけたところ
閉め切った部屋に居るにも拘らず、森の匂いと風を感じた。
絵の中の森に繋がっているのか?
不思議な絵が真を導き、ある人と出会う。
仲間を得た真は、絵の秘密を解き明かそうとするのだが。

真が出会う2人の協力者と云うか、2人の方が積極的に動くんですけど、
3人の葛藤がしっかり描かれていて面白い。
宮部みゆきの長編は、後半が弱いことが多いんだけど
本作は後半も良い感じにまとめていると思う。
なんか上から目線ですけど、率直にそう思ったので。
かなり面白かったですね。
3人がそれぞれの道を歩き出す。
お互いにベタベタした関係では無いけど、心の奥底では理解しあい、繋がっていると。
そんな感じが最後に描かれていて良いと思う。

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宮部みゆき「荒神」

宮部みゆきの「荒神」を読んでみた。

綱吉の治世元禄時代、陸奥の小藩である香山藩一万石は、
山を挟んで隣にある永津野藩とは因縁のある間柄。
両藩の間には戦国時代から色々とあったんですが江戸時代になり、
永津野が主藩で、香山が支藩の扱いになっている。
香山藩では山を開拓し、生薬を得ることを奨励していて、これが江戸でも評判に成るほど。
対して永津野藩は、戦国時代には小さいながらも金山があったが今では掘り尽くし、
香山藩のことを虎視眈々と狙っている。
そんなある日、香山藩のある村が怖ろしいものに襲われる。
なんとか逃げだしたのは蓑吉と云う少年一人だけ。
ところが蓑吉が救助されたのは永津野藩側にある村。
はたして香山藩と永津野藩の両藩は、この非常時にどう対処するのか・・・。
永津野藩の蓑吉が拾われた村には、藩主側近である曽谷弾正の妹である朱音が住んでいる。
弾正は一介の浪人から身を立て、現在では藩内でも御筆頭様と恐れられる存在だが、
そんな兄の強引なやり方に朱音は常々心を痛めていた。
弾正の産業振興策である養蚕にかこつけて城下から村に移ったのも、
兄弾正のもとを離れたかったからだ。
弾正と朱音の兄妹の過去に、何か秘密があるようなんですが・・・。

相変わらず宮部みゆきは面白い。
大映映画の名作「大魔神」の宮部版と云えなくもないような・・・、やっぱ違うか。
ちょっと悲しい結末なんですがおススメ。

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宮部みゆき「ソロモンの偽証 第3部 法廷」

宮部みゆきの「ソロモンの偽証 第3部 法廷」を読んでみた。

8月15日、とうとう体育館で学校内裁判が開廷した。
5日間に亘って、中学生による中学生のための裁判が行われる。
判事、検察、弁護人、被告、証人、陪審員、そして傍聴人。
法廷で真実をあきらかにしたい。そんな思いが結実する法廷。
第1部、第2部と丹念に描かれてきた多くの登場人物たちと、その思いが
まさに第3部にきて活きてきます。
第3部すごい!第1部も第2部も面白かったんですけど、あたりまえだけど第3部のための準備な訳で。
宮部作品て意外とラストが弱いことが多いと個人的には思うんですけど、
この作品は後半に向かってドンドン面白くなる。
何しろ証人たちが!ってネタバレにならないように書くのって難しいなぁ。
まあ、ビックリな訳ですよ、色々と。
とくに最後の証人に至っては・・・・って書いちゃいけない(笑)

つうことで大変面白かったっす。今年読んだ本の中ではベスト3に入るな。

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宮部みゆき「ソロモンの偽証」第1部事件 第2部

宮部みゆきの「ソロモンの偽証」の「第1部 事件」と「第2部 決意」を読んでみた。
第3部まであるんだね・・・。途中で気がついたんだけど、とりあえず第2部まで。

12月24日の夜、小雪がちらつき、翌朝には20センチ以上が積もる大雪になっていた。
野田健一は登校した中学校で、雪に埋もれた同級生柏木卓也の遺体を発見する。
コレが事件の始まりだった。
遺書は発見されなかったものの、学校・警察・遺族は揃って自殺と考え、一度は一件落着したかに思われた。
しかし、校内の不良グループによって卓也は殺されたのだ・・・・自分はその現場を目撃したのだ・・・・
と云う告発文書が、校長先生・卓也の担任森内先生・卓也の同級生で学級委員の藤野涼子のもとに舞い込む。
本当に目撃者はいるのか?それともでっち上げなのか。
マスコミまでも巻き込み、事態は大きく学校を揺るがす。
不良グループ、いじめられっ子、優等生。
同じ学校に通う中学生といっても、色々な立場や考え方がある訳ですよ。
そしてそんな雑多な中学生たちが、涼子を中心として事件解決に動き出します。
事件解決と云っても、名探偵よろしく警察顔負けの捜査をするとか名推理を展開するとかではなくて
3年生の夏休みの課外活動として「学校内裁判」を開催しようというのだ。
裁判をつぶそうとする学校側、味方してくれる教師、弁護人として名乗りを上げる意外な人物。
いやぁ、面白いなぁ。第3部も早く読まなきゃ。

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宮部みゆき「三島屋変調百物語 参之続 泣き童子」

宮部みゆき「三島屋変調百物語 参之続 泣き童子」を読んでみた。
三島屋変調百物語シリーズも3冊目。

川崎宿の旅籠の娘おちかは、許婚が殺される(しかも下手人が・・・)と云う事件に遭い
心を閉ざしていたが、
神田で叔父が営む袋物屋「三島屋」に身を寄せる事に。
叔父の伊兵衛の計らいで、江戸中の不思議な話を聞き集めることになる。
これが変調百物語。
今回も6編収録で大変面白かったが、特に5話「まぐる笛」と6話「節季顔」の2本が良い。

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