カートの本と音楽の(PUNKな)日々2

パトリック・ネス「人という怪物」

パトリック・ネスの混沌の叫び三部作の完結編である「人という怪物」上下を読んでみた。

前作「問う者、答える者」で心ならずも、敵と味方という立場に置かれてしまったトッドとヴァイオラの2人は
なんとか人間同士の戦いを止めようと躍起になる。
しかし、2人の間にも溝が生まれ、疑心暗鬼に陥る2人。
さらにヴァイオラにとって元の仲間である移住船から、先遣隊として2名が偵察船で降り立つ。
偵察亭の2名はヴァイオラにとっては旧知の間柄ではあるが、
思いもよらぬ惑星の状況に、2名ともが戸惑う。
傍観者になるべきか?どちらかに肩入れするべきか?
さらに第4の勢力として、この星の先住民スパクルたちが、
とうとう人間に対して戦争を開始。
誰が正しいのか、戦争を止めるにはどうしたらいいのか、トッドとヴァイオラは思い悩む。

読み応えがある最終巻。
スパクルのある人物の視点からも描かれ立体的になった物語は、
思わぬ展開を見せる。最後まで面白く読めた。
YAものなんだけど、大人の鑑賞にも耐える良作だと思う。

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パトリック・ネス「問う者、答える者」

パトリック・ネス「混沌の叫び2 問う者、答える者」上下を読んでみた。
「心のナイフ」では逃げ続けたトッドとヴァイオラの二人は、なんとか目的地であるヘイヴンにたどり着いた。
しかし、ヘイヴンで待ち受けていたものは、二人が逃げていたはずのプレンティス・タウンの軍隊だった。
捕まってしまった二人は引き裂かれ、二人の気持ちとは裏腹に敵と味方に分かれることに。
しかも被害者・逃亡者だった二人は心ならずも加害者に。

前作と比べても過酷な状況に追い込まれる二人。
う~ん、続きが気になる。と云うことで「混沌の叫び3 人という怪物」を読もう。

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パトリック・ネス「心のナイフ」

パトリック・ネスの混沌(カオス)の叫び1「心のナイフ」上・下を読んでみた。
いわゆるYA(ヤングアダルト)物のSF・・・かなぁ。やっぱファンタジーかなぁ。

地球ではないどこかの星。たぶん地球と思われる旧世界から宇宙船でたどり着いた新世界。
主人公のトッドはもうすぐ13歳になって大人の仲間入りをする。
トッドの住むプレンティスタウンには女性は一人もいない。
女性たちは、この世界の先住民スパクルと人間との戦争で、
スパクルが使用した細菌兵器で死んでしまった。
そして生き残った男たちは細菌兵器の影響で、ノイズに悩まされている。
頭で考えていることが全て音として廻りに鳴りひびく、それがノイズ。
誰も隠し事ができないし、他人のノイズを聞かされずには生きていけない。
馬も犬もその他の動物たちもノイズをまき散らす。
他の町や村は、スパクル達との戦争で死に絶え、残ったのはプレンティスタウンだけ。
早く大人の仲間入りをしたいトッドだったが、沼のそばで恐るべきものを見つけてしまう。
ノイズのない静寂だ。
その瞬間からトッドの逃避行は始まる。

YAものですが、オッサンの私が読んでも面白かった。
作中の大人の誰一人として、トッドの疑問には答えてくれないのが読んでいて歯がゆい。
トッドは疑問でいっぱいだ。そして逃避行中にも疑問は増える一方だ。
でも誰も答えてくれない。

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アーシュラ・K.ル=グゥイン「ゲド戦記4巻 帰還」

これはですねぇ、読んでてちょっと物悲しい話です。

何しろ、ゲドは魔法などの力を失ってしまっているし
ゲドの最初(魔法使いとしては)の師匠であるオジオンは亡くなってしまうし。
テナーは色々といやな事件に巻き込まれるし。
ほんと最後まで読まないと救われないと云うか・・・。

でも、最後まで読むと希望が見えてくる話でもあります。って未読の方にはさっぱり解らないね。

第二巻の「こわれた腕輪」で登場したテナーはゲドとゴント島へ移った後、
オジオンの許に預けられたのですが、魔法の道を進まずに普通の農夫の妻となる道を選んでいました。
しかし、幾歳もの月日が流れ、テナーの亭主であるヒウチイシも亡くなり寡婦として日を送っていました。
物語はそんなテナーの許に近在のヒバリがやってくることで始まります。
ヒバリは無頼漢が連れていた女の子が散々殴られた揚句、焚火の中に放り込まれ
大火傷したうえ、置き去りにされ瀕死の状態であることを知らせに来ました。
テナーであれば助けてくれると信じての行動です。
なんとか一命を取り留めた女の子をテナーは引きとり、わが子のように慈しみます。
そんなテナーの許に、今度はオジオンが死の床にあるとの知らせが入ります。
オジオンの最期を看取り、真の名を明かされたテナー。
なんとなく、オジオンの家を守ることになったテナーの許に
今度は竜に運ばれてゲドが・・・。
そして、火傷を追わされた女の子テルーは・・・・。

と、今回は三巻の「さいはての島へ」から、直接引き継いだ話でもありまして
レバンネン君も再登場。竜のカレシンも重要な役目を持っています。
男と女の違いは何か?人の悪意とは何か?と云ったテーマも前面に出てきます。

ファンタジーと云うと子供の物と思われるかもしれませんが、子供はもちろんのこと
大人にも読んでほしいシリーズだなと、特にこの巻を読むと思わされます。

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ゲド戦記3巻「さいはての島へ」

大賢人となったゲドの許に、アースシー世界で最も古く由緒正しい血筋をひく
エンラッドの王子アレンがやって来ます。
アレンは父王から、世界が均衡を失い魔法の力も失われつつあることを
大賢人に伝えるよう、使者として遣わされて来たのです。
アレンとゲドは二人で世界の均衡を乱すものを探しに旅に出ます。
様々な異変を目にする二人。竜たちでさえも・・・。

第二巻がゲドの物語であるのと同時にテナーの物語でもあったように、
第三巻はアレンの物語でもあります。
ゲドと旅を続けるうちに、少年から青年に変貌を遂げるアレン。
自分の使命を見つけ出していきます。

第一巻がゲドの成長記であったように、第三巻はアレンの成長記でもあります。

さて、問題は三巻までしか買ってないんですよね。
残りも買いに行くか・・・。

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