カートの本と音楽の(PUNKな)日々2

畠中恵「こいわすれ」

畠中恵の「まんまこと」シリーズの第3巻「こいわすれ」を読んでみた。
間違えて4巻の「ときぐすり」を先に読んでしまったので、
3巻で起きるシリーズ最大の事件がネタバレしてしまった状態なんだけど、面白く読めた。

一応軽く解説を。
舞台は江戸時代の神田界隈。
町名主の息子麻之助、幼馴染ですでに父の後を継いで町名主となった二枚目の清十郎
同じく幼馴染で同心見習いの堅物吉五郎の3人がメイン。
町名主のもとに持ち込まれる様々な相談事・揉め事を、ちゃらんぽらんなようでいて
意外としっかり者の麻之助が解決する、人情ものってところなんですが。
大変面白いし、息抜きにぴったりの軽い内容なんですが、
今回だけは流石の麻之助も、心底参ってしまう事件が起こります。
果たして麻之助は立ち直れるのか。

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畠中恵「ときぐすり」

畠中恵の「まんまこと」シリーズ4作目の「ときぐすり」を読んでみた。
たぶん3作目の「こいわすれ」を読んでないな俺・・・・orz

「ときぐすり」とは「時薬」と書いて「じやく」と読むのが正しいんですが
ある登場人物が「ときぐすり」と間違って読んで、時が薬になると云う意味だと思っていたと云うんですね。
コレが良い話でね。
“歳月を過ごしていくと、そのことが心を癒してくれる。時そのものが、一種の薬となる”
“そういう意味の言葉だと、寸の間信じたのだ”
ああ、ウンウン。そういうのも解るねぇ。

随分と久しぶりに読んだシリーズなんだけど、江戸の呑気な町名主の息子とその友人達のやり取りと
大したことないけれども、当人達にはおおごとの事件。


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畠中恵「ちょちょら」

「ちょちょら」ってなんやねん?と思ったら
“弁舌の立つお調子者。いい加減なお世辞。調子の良い言葉”だそうです。

主人公間野新之介は播磨の国、多々良木藩の江戸留守居役に急遽就任。
元々は兄の千太郎が若くして江戸留守居役に就任したのだが、一年も経たぬうちに自刃してしまったのだ。
部屋住みの新之介は、江戸留守居役のお役を引き継がぬかと話があった際に、
兄の死の真相を突き止める為にもと、お役を引き受けることにした。
江戸留守居役とは物頭級または番頭級の有能な家臣から選ばれたお役で、
御城使として幕閣の動向や、幕府から下されるの法令入手や解釈、提出書類の作成など、
要するに外交一般の仕事をする訳ですね。
江戸時代に置いて、これは各藩の最重要な仕事と云えるかもしれません。
そう云う意味では火急の折とは云え新之介に廻ってくるのは不自然ではありますが、ま、其処は眼をつぶって。

留守居役が上手く立ち回れば、幕府から押し付けられるお手伝い普請(要するに土木工事ですね)から逃げることも可能。
お手伝い普請は藩財政を圧迫しかねない訳ですから、
全てを回避するのは不可能ではあっても、なるべく安上がりな物に
しかもなるべく期間を開けて当たるようにしたいのは当然。
ここで活躍と云うか暗躍するのが各藩の留守居役たちでして、
様々な形で接待やらなんやら、あの手この手で・・・・。いつの時代も大変だよねぇ。

新之介の考え出した奇策により、各藩の留守居役が(一致団結ではないものの)一斉に動き出す後半など
思いのほか読み応えあり。
個人的には「しゃばけ」シリーズよりもこちらの方が上に感じますな。

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畠中恵「アイスクリン強し」

畠中恵の「アイスクリン強し」を読んでみました。
間違えて続編で前日譚にあたる「若様組まいる」を先に読んでしまっていたので
登場人物たちは既に馴染があるメンバー。
外国人居留地で育ち菓子職人となった「ミナ」こと皆川真次郎
若様組の大将格の長瀬
同じく若様組の一人で眉目秀麗ながらキレやすく剣術も喧嘩も一流の園山
真次郎・若様組の面々と親しい成金小泉商会のお嬢様である沙羅
沙羅の父で成金の小泉琢磨
そして若様組の影の薄いメンバー
「若様組まいる」では旗本の家に生まれ、世が世がならば若様としてちやほやされていたであろう長瀬達が
明治維新後の東京で、巡査になるべく奮闘する話でしたが
こちらの方は長瀬達が無事巡査になってからのお話。
真次郎の西洋菓子店も無事オープンしています。
しかし、若様組プラス真次郎のもとには色々と難題が持ち込まれてきます。
差出人不明の手紙が舞い込み、いわく「差出人をつきとめ、差出人の一番欲しい物を推理して、
差出人のもとにその『何か』を持参すれば褒賞を差し上げる」との文面。
さて、いったい誰の仕業なのか?
他にも行方の知れぬ御落胤探しに巻き込まれたり
コロリ(コレラの事ですね)の流行事件に巻き込まれたり
若様組は事件は事欠かない。

個人的には、やはり若様組の影の薄さが気になる。
長瀬と園山以外は完全に脇役なのでまったく気にならないが、長瀬・園山の微妙な影の薄さが不思議な感じ。
真次郎が主人公と割り切って描いてくれた方が、座りが良いのになぁと思う。
なんかちょっと話の焦点がぼやけちゃう気がするので。


軽い話サクッと読めちゃうので、それなりに面白いんですけれども
やはり私としては、「しゃばけ」シリーズの方が好いなぁ。
コロリの話を軽く済ませている点もちょっと減点かな。

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畠中恵「若様組まいる」

畠中恵の「若様組まいる」読んでみました。
おお、マズッた。これは「アイスクリン強し」の前日譚じゃないですか。
まだ「アイスクリン強し」読んでないんだよね。クゥ・・。

「世が世なら云々」ってよくある台詞だけど、
若様組の面々は、まさに世が世なら若様として何の心配も無かったハズの大旗本の息子たち。
しかし時は明治20年、主人公の若様たちは旗本の家に生まれるも、明治維新後の日本では元朝敵の側。
やむなく、本編の主人公であり若様達の大将格の長瀬は、巡査の試験を受けてみようかと決心する。
結局若様達8人全員が巡査の採用試験を受け、なんとか合格。
晴れて巡査教習所の生徒となったのだが
生徒の中には薩摩出身の官軍側の子弟や
平民組、静岡組(維新後に徳川家について静岡に移った旗本達の子弟)などがおり
それぞれが反目し合っている始末。
おまけに、あからさまなエコ贔屓をする教師もいたりと苦労が絶えない。
そんな中、射撃の教習中に暴発事件が起こるが、その裏には・・・・。

という感じでなかなか面白かったです。
謎解き的な面では弱いけれども、そういう方向の作品ではないんでしょう。
妖し達の登場するしゃばけシリーズではなくて、名主の跡取り息子の麻之助シリーズ(「まんまこと」ほか)の方向ですね。
ちょっと残念なのは若様組のメンバーですね。
主人公の長瀬と、若様組の友人であり外国人居留地で西洋菓子職人を目指している真次郎以外がねぇ。
厭なキャラだとかじゃなくて、キャラが薄すぎて居るんだか居ないんだか分からない。
「アイスクリン強し」の方だとどうなんでしょうか?
未読だから何とも云えないんですけれども、少なくとも「若様組まいる」を読んだだけだと
ちょっと他のメンバーは不要なんじゃないかと。
そういう意味では、古泉商会のお嬢様である沙羅や、福田の恋人である百合も薄い感じが否めない。
「アイスクリン強し」の方ではそれぞれ活躍するんでしょうか?
という事で順番が逆になってしまいましたが「アイスクリン強し」を読んでみよう。

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