カートの本と音楽の(PUNKな)日々2

京極夏彦「西巷説百物語」

京極夏彦の人気シリーズ「巷説百物語シリーズ」の最新刊。
といっても刊行は去年の夏か。今頃になって読んでみました。
単行本としては五冊目になるのかな。

御行の又市の相棒であった靄船の林蔵が主人公(?)な上方が舞台の本作。
一文字狸と呼ばれる一文字屋仁蔵は、表向きは上方きっての大版元。
しかし裏の顔は、上方の小悪党を束ね「何とも為難き困りごとの相談に」乗る稼業をしている。
「悩みを消す、罪を消す、昔を消す、人を消す、国を消す」何でもござれの裏稼業。
一文字屋に持ち込まれた依頼は、林蔵達の手によって・・・・・。
曰く
廻船問屋の一人娘と生真面目な番頭が駆け落ちをしたとか
両替商の次男坊が惣領を殺め、気が触れてお縄になったとか
土佐で大勢を殺めた刀匠が大坂に逃れ、商人宿で自害したとか
浄瑠璃の名人上手が芸道を究めて絶望し、若くして隠遁したとか
疫病で滅びかけた山里の庄屋が村の大立者に嫉妬し、相打ちになったとか
川に流された酒蔵の跡取り息子が、五年後に戻ったとか
いずれも噂の話の裏には、林蔵らの影が。


お馴染の又市や百介がチョビっとだけ出演。

やはり無類に面白いですね。このシリーズ。
収録作は
桂男
遺言幽霊 水乞幽霊
鍛冶が嬶
夜楽屋
溝出
豆狸
野狐
の七編。
豆狸以外は悲しい結末ですな。
月並みですが、妖怪よりも人の方が百倍も怖いわ。

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