カートの本と音楽の(PUNKな)日々2

宮部みゆき「小暮写眞館」

「小暮写真館」じゃなくて「小暮写眞館」ですね、旧漢字。

親子四人の花菱家が引っ越したのは、老店主が亡くなって売りに出された写眞館。
寂れた商店街の寂れた写真屋さんだったんですが、花菱家の両親は変り者で
なぜか「小暮写眞館」の看板も付けたままでして、当然営業中と勘違いされたり。
主人公の英一は花菱家の長男で、たまたま勘違いで持ち込まれた“心霊写真”の謎を解決してしまい
いつの間にか心霊写真バスターズに。
ただ、心霊写真の謎を解決と云っても、英一に霊能力があるとか科学的にどうとかではなくて
写真の裏というか、なぜこんな写真が撮れてしまったのかの方の謎を丹念にひも解いて行くんですね。
そういう小説なのかと思って読み進むと、これは謂わば前振りと云うかツカミと云うか
読者と英一たちを「心霊写真」的なものに慣らしておく為のモノなんですね。
むしろテーマは、英一の亡くなってしまった妹と、英一たち残された家族なんです。
そして英一の淡い恋(淡い恋なんて書くとこっぱずかしいなぁ)が、なかなか良い。

ちょっとネタばれ気味なんで、未読の方はこの後は読まないで欲しいんですが


義絶していた祖父の法要での英一の宣言のあと
2人で走り出すじゃないですか?
あれが映画「卒業」を思い出させるんだけど、俺だけかしら?

全体に面白かったんですが、英一の親友のテンコこと店子君と、英一の弟ピカちゃんこと光君。
この二人がなぁ、個人的にはちょっと納得がいかないというか、なんか不愉快。
悪意のないところがまたなんとも・・・・。

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