カートの本と音楽の(PUNKな)日々2

小野不由美「屍鬼」

小野不由美の「屍鬼」を読んでみた。
文庫版で全5巻。
長い・・・・・が、面白ければ長いことはむしろウレシイ。
正直に云うと「屍鬼」にチャレンジするのは3度目。
過去2回は、なんていうんですかね・・・物語の助走の段階で飽きちゃって読むのを断念。
アガサ・クリスティを読むときも、なかなか話が動き出さないじゃないですか・・・。
それで飽きちゃうんですよね。
屍鬼も同じ感じで、過去2回は割と早めの段階で挫折。う~ん面白そうなんだけどなぁ。
今回は1巻だけでも最後まで読んでみようと。
結果的には1巻の後半ぐらいからノッテきて、5巻までほぼ一気に読んでしまった。

町に編入されてはいるものの、周囲を山に囲まれ、いまだに外部とは隔絶された外場村。
村としての独立心・・・というよりは孤立心とでも云ったらいいのかな、なにしろ閉じちゃった感のある村。
村の外へ通勤する者もいれば、村の外から通勤してくる者だっているし
町の役場の主張所だってある。でも、昔からの習慣と云うか、因習を残している。
人口1300人の外場村で、ある暑い夏、原因不明の死が蔓延し始める。
村でたった一軒の尾崎医院の院長敏夫は不審に感じ、幼馴染でもあり、
これまた村で唯一の寺院の若御院静信と共に密かに調査を始める。
村には土葬の習慣が残り、また、村独自のヒエラルキーが存在する。
寺を頂点とし、代々村長の家系である兼正(名字ではなく、屋号である)が第2位、
第3位が尾崎医院と云うヒエラルキー。
村内で処理すべき問題は、この3者の合議で決定される。
しかし、物語が始まった時点では、兼正は村外に移転(同じ町の中ではあるが、外場の人間にとっては
それは外の人になったに等しい)していて、静信や敏夫の二人も、村外の大学に(敏夫は医者なので当然だし、
静信も大学で寮生活をしていた描写がある)通うなどした影響か、さほど因習にとらわれていない(あくまでも
旧世代よりは・・・・なんだろうけども)ようだ。
異変を感じながらも、村の外にそのことが漏れることを懼れ、自分がイニシアチブを握って調査しようとする敏夫。
なんとなく引きずられる静信。
兼正は話題に出るだけで登場しない(完全に村外の人扱いだ)。
彼ら以外にも異変を察知する者はいる(と云うか村人全員が気が付いているが、問題を直視しない)が・・・。

うん、大変面白かった。
でも、静信が寺の若御前である必然性がほぼ皆無なのが非常に気になる。
物語の装置として寺が必要なことは間違いないが、静信が僧侶である必要性は感じられない。
別に職業として僧侶ってだけで、むしろ彼の本質は小説家の方なんでしょう。
まあ、静信がああいう人じゃないとラストの展開がかなり変わっちゃうと云う意味では
必要な人物設定ではあると思うんですが、あまりにも不自然なんで。
ちなみに文庫版5巻の宮部みゆきの解説でスティーヴン・キングの「呪われた町」と比較していましたが、
自分はむしろ同じキングでも「IT」とかの方を思い浮かべたかなぁ。全然似ていない気がするけど。

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