カートの本と音楽の(PUNKな)日々2

小野不由美「残穢」

小野不由美の「残穢」を読んでみた。
モキュメンタリーって云うかノンフィクション風のフィクションって感じでしょうかね、本作は。
小野不由美さん本人と思われる人物が語り手。
作家で、大人向けの作品も書くけれどもラノベが主戦場で、配偶者も作家。小野さんじゃん。
かつて20年ほど前に、小・中学生向けの文庫レーベルでホラーシリーズをもっていて、
この文庫シリーズのあとがきで「怖い話を知っていたら教えて欲しい」と読者に向けて書いていた。
色々と読者から体験談などを頂いたが、2001年末に久保さん(仮名)というライターをしている女性から
奇妙な体験についての手紙が届いたのが今回の発端。
久保さんが2001年11月に引っ越してきたマンション。
リビングで仕事をしていると、背後にある寝室(和室)から畳の上を掃くような、さっという軽い音が聞こえる。
何か説明のつく音なんでしょう(そもそも語り手は超常現象に対して懐疑的で、頭から否定はしないものの、
科学的・合理的に説明が付く自然現象と考える)とのやり取りが久保さんとの間で何度か交わされて、
どうすると音が聞こえるかなどの検証を久保さんがしてみたりして、メールでやり取りなんかをしていた。
ところが、2002年春になって、音以外の現象が起こってしまう。
いつもの音がしたので「またか」と思いつつ、いきなり振り返ってみると、着物の帯のようなものが畳を撫でるように
這うのを見てしまう。
結果、久保さんは寝室にしていた和室は物置部屋にしてしまい、普段は閉め切ることに。
でもここで語り手は、何か引っ掛かるものを感じるんですね。
たまたま、読者から頂いた怪談話を収めた箱を整理していて、見つけちゃうんですよ。
同じマンション(部屋は違うけれども)から届いた体験談の手紙。
手紙の消印は1999年7月。久保さんと同じマンションに半年ほど前に(つまり1999年の1月頃か?)引っ越してきたが、
2歳になる子どもが何もない宙を見つめて「ぶらんこ」と云うと。
何かがぶら下がって揺れているのが見えるらしい。そして、さーっと床を掃くような音を耳にすることがあるらしい。
2002年5月、語り手である私は、久保さんにメールを書いた。
「401号室に、屋嶋(仮名)さんという方が住んでいませんか?」

ちょっと長くなってしまいましたけれども、ここまでが第1章の内容。
ここから語り手と久保さんの二人三脚で調査が始まるんですね。
手がかりをたどって行くと、次の薄い手がかりが出てくる。
相互に関係しているようでも、微妙に齟齬がある感じの傍証。
何かあるんだけれども、何がと特定できないのが怖いような怖くないような・・・。
僕はこれかなり怖いと思って読みましたね。
ホラー小説って好きなんですけれど、面白いと思ってもホントに怖いのって滅多に無いじゃないすか。
たとえばスティーヴン・キングでもホントに怖いなと思って読んだのは「シャイニング」と「ペット・セメタリー」ぐらい。
小野不由美の「屍鬼」も面白いけど、怖くはないでしょ。
どこに怖いと思うポイントがあるかは人それぞれなんでしょうけれど、意外とこれは怖くて面白かったっす。
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