カートの本と音楽の(PUNKな)日々2

京極夏彦「ヒトでなし」

京極夏彦の「ヒトでなし」を読んでみた。

コレはですね~、なんと云うか・・・まっとうな人は出てきませんね~。
一人も出てこない。
主人公は娘を事故(たぶん)で亡くし、妻に捨てられ、
会社は馘首になり、「ヒトでなし」と云われた尾田。
そして何もかもを捨て、社会をも捨てて「ヒトでなし」になった。
あるいは「ヒトでなし」である事に気が付いたのか。
街を彷徨ううち、たまたま出会ったのは自殺しようとする女。
莫大な遺産を相続したばかりに、金の亡者たちに悩まされ自殺しようとするまでに追い込まれた塚本。
高校時代の友人で、いっときは事業で成功し羽振りが良かったものの
今では借金取りに追われ、自宅に籠城するだけの荻野。
荻野の借金を取り立てに来た兄貴分を、ふとした弾みで刺殺してしまったチンピラ少年鍋谷。
とんでもない4人が辿り着いたのは、荻野の祖父が住職をつとめる怪しい寺。
コレがまたとんでもない破戒僧で。

何しろ出てくる人物たちがどいつもこいつも、世のつまはじき者たち。
寺にはリストカットを繰り返す少女や、連続殺人犯だった修行僧がいるし、
もう何と云うかとんでもない場所なんですよ。
酷い話なんだよホント。でも読んでるとメチャメチャ興しろいんだな。
なんか暗い話になりそうじゃないですか。
でも、尾田の怖ろしいまでのふっきれた感じが、一種爽快でして
う~ん何と云うか平山夢明的と云うか、カミユ的と云うか・・・。


「金剛界の章」とあるから、きっと「胎蔵界の章」も書くんだろうなとは思うんですけど
はたして2冊で終わる話なんだろうか?
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