カートの本と音楽の(PUNKな)日々2

住野よる「君の膵臓をたべたい」

住野よるの「君の膵臓をたべたい」を読んでみた。

タイトルの奇抜さから想像するよりも、たいぶ爽やかな青春もの。
まあ、よくある話である点は否めないが、僕は悪くないと思いました。

主人公はクラスでもまったく誰にも相手にされない男子高校生。
好んでそうなったのか、相手にされずに過ごすうちにそうなったのか解らないが、
とにかくクラスメイトなんかまったく興味がないし、自分に興味を持ってほしくもない。
そんなボッチな主人公が、クラスでもわりと目立つタイプの女子、桜良と秘密を共有するようになる。
たまたま病院の待合室で忘れものと思われる文庫本を見つけてしまい、
何気なく開いてしまうと、それは「共病文庫」と名付けられた桜良の日記だった。
そこには「膵臓の病気で間もなく死んでしまう」と云う、桜良と家族しか知らない、
教師にも友人にも告げていない秘密が書かれていた。
秘密を知ってしまった主人公。秘密を知られてしまった桜良。
以来、桜良は主人公を良くも悪くも引っ張り回し、主人公もなんだかんだと付き合うようになる。
一応そこには恋愛感情はない。一応。


読んでいると、村上春樹の影響がありありと感じられて、やや居心地が悪い。
そして主人公には「涼宮ハルヒの憂鬱」の影響を感じる。
なんか主人公が「ノルウェイの森」のワタナベ君と、「ハルヒ」のキョンを足して3で割ったような・・・。
ワタナベ君もキョンも好ましいと僕は思っているのですが、
本作の主人公は(小説のラストでやっと名前が出てくる)、ちょっと人物造形として微妙。
ボッチの割にはコミュニケーション能力が高く(少なくとも桜良に対しては)、
かなり・・・と云うか、あり得ないぐらい気の効いたセリフを吐く。
こんなボッチいないでしょ。
それに文章が時折変なんですよね~。
こういうのはちゃんと編集の方で「ここは直しましょう」とかやってあげるべきだと思うんですよね。
そこは作者と云うよりも編集側の怠慢だと僕は思うんですけど、
ラノベをある程度読んだことがある人は、その辺も乗り越えられるんじゃないかと。
先ほど“小説のラストでやっと名前が出てくる”って書いたんですが、
主人公の名前は、呼びかける相手との関係性でその都度変わる訳です。
「秘密を知っているクラスメイト」君とか「地味なクラスメイト」君とかね。
そういう風に呼ばれていると、主人公が受け取っていると云う感じですかね。
ラストシーンはなかなか好いと思いました。
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