カートの本と音楽の(PUNKな)日々2

アレッサンドロ・バリッコ著「イリアス」

映画「海の上のピアニスト」で有名なアレッサンドロ・バリッコの
「イリアス トロイアで戦った英雄たちの物語」白水社です。

正直言いまして、原典訳の「イリアス」(岩波文庫など)は読んだ事がありません。
まあ、あまりにも有名な叙事詩ですから、概ねの内容は知ってはいましたが。
ダン・シモンズの「イリアム」は読んだ事が(こちらも大変面白いです)ありましたけど、
あれは「イリアス」を下敷きにしたSFですからね、別物と言うことで。

作者の前書きによると、もともとは劇場で朗読するために書かれた(というか編集されたというか)テキストで、
底本として散文のマリア・グラツィア・チアニのイタリア語訳を使用との事。
無駄な繰り返しを省き、簡潔に。要約はせず、各場面もほとんど削らない。
ただし、神々の登場場面は全面的に削除し、人間たちの物語として再構築した。
さらに、古語を廃し、尚且つ語り手を一人称にした。
ということらしいのですが、おかげで大変読みやすく成っています。

読むまでは、あまり期待しないでいたんですけど、読んでみるとこれが面白い。
ほとんど一気に読んでしまいました。
10年掛かりのトロイア戦争の、ある期間の話です。
アカイア(ギリシャ)軍の捕虜となった娘クリュセイスを解放して欲しいとの
トロイア側の神官クリュセスの願いを、アカイア軍の総大将アガメムノンが拒否した事から
逆にアカイア軍は窮地(この辺は神々が関わることなので、この本だと何故
アカイア軍が酷い目に遭うのかが解り難いですが)に陥ります。
アカイア軍内でのアガメムノンとアキレウスの対立、
アキレウス抜きでのトロイアとの戦い、
劣勢となるアカイア、アキレウスの友人パトロクロスの活躍と死。
アキレウスがパトロクロスの復讐のために、トロイアの大将ヘクトルを倒し・・
と物語りは続いていきます。
これが面白いんですよ、オススメ。
バリッコらしさが、どれほどこの作品に出ているのかは判りませんけど。
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