カートの本と音楽の(PUNKな)日々2

アレッサンドロ・バリッコ著「絹」

先日バリッコの「イリアス」を読んで大変面白かったので
今回は彼の小説(イリアスは翻訳?ですからね)に挑んでみました。
結論、オリジナル作品も大変面白いです。
幻想的というか、むしろ寓話のような雰囲気を持った作品です。
イタリアの作家と云うと、カルヴィーノが当然思い浮かびますけど、
「木のぼり男爵」「まっぷたつの子爵」「不在の騎士」の“我々の祖先”三部作に
通じる感覚がバリッコの「絹」にも感じられました。

舞台は19世紀の南フランスの町で始まります。
バルダビューと云う男が、町にふらりと現れ養蚕と製糸で町に富をもたらします。
しかし、蚕の病気がヨーロッパを襲い、健康な蚕の卵を求めてバルダビューは
部下のジョンクールを遥々と日本まで買い付けに送り出します。
幕末の日本でのハラ・ケイ(当然原敬から名前を頂いてる訳ですね)と、謎の女との出会い。
そして、日本での戦乱(明治維新ですね)に因る彼らとの別れ、仕事の失敗と妻の死。
淡々としていながら、揺蕩うような文体で、気持ちよく読み進んでしまいました。

若干、日本の描写などに?な部分もあるのですけど、そこに突っ込むのは不粋と云うもの。
寓話として読むべきでしょう。

ちなみに、カバー折り返しの著者紹介に拠るとイタリアのトリノ出身とのことで、
ユヴェンティーノの自分としてはバリッコに親近感を持ってしまいました。
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