カートの本と音楽の(PUNKな)日々2

「死者との誓い」ローレンス・ブロック

ローレンス・ブロック著「死者との誓い」二見文庫です。

初めて読んだローレンス・ブロックの作品です。
アル中(この作品では酒を既に絶ってますけど)探偵のマット・スカダーシリーズの
長編としては11作目になります。
初めて読んだのはもう何年も前です。それまでハードボイルド物は苦手でしたが、
図書館でタイトルに惹かれて(あまりタイトルに惹かれるって事が無いんですが珍しく)借りてみまして、
大当たりでした。それ以来マット・スカダーシリーズはもちろんの事、
手に入る限りのローレンス・ブロックの作品を買いあさりました。

もともと、ハードボイルドに興味が無かったんですけどね。
たぶん、たまたま駄作にあたってしまったんだと思うのですけど、
だいぶ以前に知り合いから、日本人作家の(敢えて名は秘しますが)ハードボイルド物を
借りた事がありまして、えーっとコレがなんと言うか、大変つまらないというか、
カッコつけすぎで歯が浮くという感じの本だったんです。
それ以来、ハードボイルドにはまったく手が伸びない状態だったんです。
食わず嫌いといいますか、最初の出会いが悪かった。
ですので、この「死者との誓い」もハードボイルドと判っていたら借りなかったかも。
そういう意味では、予備知識が無くて好かったw

ストーリーは、主人公マットの知り合いの弁護士であるグレンが射殺されるところから始まります。
すぐに容疑者が逮捕されますが、マットのもとに容疑者の弟から真犯人を探して欲しいと依頼が入ります。
捜査を始めるマット。ところが段々とマットも真犯人は別にいるのではと疑いだします。
さらに被害者の妻からも、殺された夫が多額の現金を残していた事から、
妻も知らない裏の生活があったのではと調査を依頼される。
マットが調査を続けるうちに明らかになる、被害者の裏の顔と意外な真犯人。
さらに、事件を調査するマットに以前親しかった女性から舞い込んだ頼みごと。
そして恋人との恋愛の進展と、いやぁ、てんこ盛りです。

一作目からではなくて、この作品から読み始めてしまったので、エレインや、ジャン・キーン、
TJ、ミック・バルーなど、シリーズのお馴染みのメンバーとも云わば初対面でしたが、
一発でハマりました。なにしろ、登場人物たちの魅力的なこと。
無駄の無い文章で、的確に一人一人の人物を浮き彫りにしていきます。
会話もよい意味で洒落ていて、うーん「洒落て」と云うか気が利いていると云うか。
それに、全編に漂う物悲しさ、ほろ苦さ。死と折り合いをつけていくマットの心の動き。
ストーリーももちろん面白いのですが、やはりこの作家の最大の魅力は登場人物に在るのではと思います。
未読の方は是非読んでみてください。そして、ハマって欲しい。
でも、一作目から読むべきかな。一作目からと云う方には同じく二見文庫の
「過去からの弔鍾」をオススメします。

ちなみに、この作品はPWA(アメリカ市立探偵作家クラブ)最優秀長編賞を受賞しています。
このシリーズを読むと、ニュー・ヨークに行きたくなっちゃうんですよね。
街までも魅力的に描く作家でした。
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