カートの本と音楽の(PUNKな)日々2

宮部みゆき「ばんば憑き」

宮部みゆきの短編集「ばんば憑き」
江戸時代を舞台にした怪談?というか怪しい話。
怪談と云うとどうしても怖い話って思っちゃうんだけど、怪しいもしくは妖しい話なんであって
必ずしも怖がらせることだけが目的ではないんですね。
その辺は例えば杉浦日向子の「百物語」とかを読んでも同じだし、そもそも「聊斎志異」とか「日本霊異記」とかを読んでも同じ。
怖い話は怖い話で好きなんですけどね、宮部みゆきに限らず良く出来た怪談は怖いだけではなくて人の悲しさや
愚かさ、そして人間自体の恐ろしさが顕わされていたりするもの。

収録作品は
坊主の壺
お文の影
博打眼
討債鬼
ばんば憑き
野槌の墓
の6篇。このどれもが出来が良い。
例えば表題作の「ばんば憑き」
湯島の大店伊勢屋に婿養子に入った分家の次男坊佐一郎は
わがままな妻女お志津と下男を連れ、箱根に湯治に行った帰り路
江戸の一歩手前の戸塚宿で、雨の為に長逗留をしていた。
宿でもわがまま放題なお志津であったが、甲斐甲斐しく振舞う佐一郎。
更に相部屋を頼まれたのをきっかけにお志津はむくれて嫌味タラタラ。
ところがその夜、相部屋となったお松と名乗る老女が佐一郎に語った50年前の話とは・・・。
翌朝命を絶ったお松。そして、話を聞いた佐一郎の心に訪れてしまった想い。
いやぁ、怖いのは人の心だなぁ。

宮部ファンには嬉しい「あんじゅう」の青野先生が「討債鬼」に
「日暮らし」の政五郎親分と“おでこ”こと三太郎が「お文の影」に登場。
宮部みゆきは現代ものも好いんだけど、江戸ものはさらに一段上だなぁ。
逆に「ICO」とか「ドリームバスター」とかのファンタジーものは少し落ちる。
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