カートの本と音楽の(PUNKな)日々2

万城目学「プリンセス・トヨトミ」

万城目学の「プリンセス・トヨトミ」
タイトルが良い。

“五月末日の木曜日、午後四時のことである。
大坂が全停止した。”

物語はこの大坂が完全に停止した日からさかのぼること十日のある月曜日の朝に始まる。
まず描かれるのは、朝の東京駅で出張に赴く会計検査院の調査官3人組。
随分とキャラの立った3人組で、プリンセス・トヨトミと何が繋がるのか判らないまま物語に引き込まれる。
続いて一転して大阪市立空堀中学校へ通う大輔と、その幼馴染の茶子が描かれる。
こちらは今までのお笑いモードから、やや不穏というかブルーな気分の話になる。
大輔はこの日の朝、とうとうセーラー服を着て登校する事にしたのだ。
「ええんか、ホンマにええんか」という母親の声。
そして登校してみると・・・・。

会計検査院側と大阪側の物語が、何処で交差するのかドキドキしながら読み進む。
大輔と茶子を応援しつつも、とうとう大阪国とその首脳陣があらわれて物語は対決へ向けて・・・。

いやぁ面白いっす。特にですね個人的には大阪国が立ち上がる所が好きですね。
なんか国民たちも解っていない訳ですよ、自分たちの大阪国が。
にもかかわらず、父親からというか遠いご先祖達からの大阪国の国民としての使命を全うしようと
三々五々集ってくるじゃないですか?あの感じが好きなんですよね。

ま、家康嫌いだし、豊臣の末裔かぁ。まあ万城目学の大法螺な訳ですが、面白いっす。
登場人物の名前も歴史小説好きならば、松平・鳥居はまだしも真田とか橋場って出てくると「あ~ナルホド」って感じですよね。「鴨川ホルモー」の時もそうでしたけどね。
あ、でも「旭ゲンズブール」って元ネタが私には判らなかったけど(笑)
この手の大法螺歴史小説っていうと小林恭二の「ゼウスガーデン衰亡史」が白眉。
だいぶ本作とは雰囲気が違いますけどね。
ま、敢えて云えば「プリンセス・トヨトミ」が直木賞的であるならば
「ゼウスガーデン衰亡史」は芥川賞的(っていうか三島由紀夫賞だね)であるわけです。
「プリンセス・トヨトミ」を読んで面白かった方には小林恭二の「ゼウスガーデン衰亡史」も読んでみて欲しい。



映画化もされてるんですよね。
さて、観てみたものか・・・。
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