カートの本と音楽の(PUNKな)日々2

東野圭吾「真夏の方程式」

東野圭吾の「探偵ガリレオ」シリーズで、長編としては3作目にあたる「真夏の方程式」を読んでみた。

両親の仕事の都合で、折角の夏休みに親類の経営する海辺の旅館に預けられた小学生の恭平。
海辺の町に向かう新幹線で乗り合わせたのは、誰あろう探偵ガリレオこと湯川。
湯川は海底資源開発の技術協力を企業にしている関係で、同じ町で開かれる住民説明会に出席する予定。
この説明会などで、ちょっとだけだが湯川の開発と自然保護に対する考えの一端が披露されるのが興味深い。
湯川は恭平との電車内でのちょっとしたやり取りから、なぜか同じ旅館に泊まることになる。
もともと企業側の用意したホテルに泊まるハズだったのを、わざわざ断って旅館に泊まる事にした湯川。
ところが、この旅館の他の泊まり客が海岸で死亡しているのが発見される。
当初は単なる事故と考えられたが・・・・。
海辺の寂れた街を舞台にして、資源開発と町の経済復興、現在の死亡事故(事故か他殺か?)と16年前の殺人事件が
複雑に絡み合っている様が描かれる。
ちゃんと東京警視庁の草薙と内海の両刑事も登場するし、珍しく湯川博士は子どもと積極的に交流するし
なかなか面白い一冊。
小学5年生の恭平とのやり取りは微笑ましいものだ。
微笑ましいだけでは終わらないところが湯川と云うか、東野圭吾らしいと云うか。

そして「ある人物の人生が捻じ曲げられてしまう」ことを湯川は防ぎたい。
真相をただ解明するだけでは、人を救う事は出来ないのかもしれないし、
事件を“解決”する事にはならないのかもしれない。
「容疑者Xの献身」から続く作者のテーマなんだろうなぁ。
ちょっと考えさせられる終わり方で、大変面白かった。

夏の間に読めて良かったぜ。
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