カートの本と音楽の(PUNKな)日々2

スラヴォミール・ラウイッツ「脱出記」

スラヴォミール・ラウイッツの「脱出記 シベリアからインドまで歩いた男たち」を読んでみた。

作者であるスラヴォミール・ラウイッツは1939年11月19日にソヴィエトに逮捕された。
ソヴィエトの内務人民委員部NKVDにミンスクとカルコフで尋問と拷問を受け、
更にモスクワのルビヤンカ拘置所へ送られた。
様々な拷問・尋問を受けて、1年後には茶番劇とも云える裁判で判決を受ける。
判決は25年の強制労働。シベリア送りだ。
ポーランド陸軍騎兵隊中尉だったスラヴォミールは、
たまたまロシアとの国境近くに生まれ育ち、ロシア語が話せた。
だからスパイだ。
多くの人々がソヴィエトの手によって同様の濡れ衣を着せられ収容所に送られた。
収容所までに道のりも、過酷なものであり、極寒の地での死の行進は10~15%もの死者を出した。
しかし、スラヴォミールはチャンスと仲間に恵まれて、収容所からの脱走に成功。
さらに1年を掛けてシベリアからゴビ砂漠やチベット、ネパールを超えてインドに辿り着く。
6人の仲間との脱出行は、実話とは思えないほどの過酷さだ。
インドでイギリス軍に救われたスラヴォミールは、治療を受けた後
戦闘機乗りとしての訓練を受けるがちょうど終戦。
その後イギリス人女性と再婚(ポーランドの妻とは二度と会っていない。帰国するれば、再度ソヴィエトに逮捕され、今度は死刑になったであろうことは想像に難くない)し、2004年まで生きた。

本書はスラヴォミールが、新聞記者に語った物を纏めたものであるが、
元々は本書に登場する“ある生物”の目撃談を探していた記者が、
たまたまスラヴォミールを紹介されたのがきっかけだと云う。ふ~む。
なかなか良い本でした。



関連記事
スポンサーサイト

PageTop

コメント


管理者にだけ表示を許可する